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転職の軸とは?面接での回答例や優先順位の考え方を解説

目次

転職を考える際、多くの人が直面するのが「自分にとって最適な転職先はどこか」という問題です。新たなキャリアや転職の軸を模索していると、迷いや不安はつきものですよね。

この記事では、面接で転職の軸を聞かれたときの回答例文や、転職条件の優先順位の考え方など、転職の軸を見つけるためのアプローチを紹介します。

転職の軸とは

転職の軸とは、転職活動をする上で重視する条件や基準のことを指します。自分のキャリアやライフスタイルにおいて重要な要素を明確にし、転職先選びの基準として使うことを意識してみましょう。

また、似たような言葉の中に「就職活動の軸」というのもありますが、違いに関しては視点です。就職活動では、学生時代に身につけた知識やスキル、学びたい分野などを考慮して、自分の将来のキャリアを描くための軸を見つけます。一方、転職の軸は、既に経験を積んだ方が次のステップに進む際に、自分の成長や満足感を追求するための基準となります。

転職の軸になりえるものとして、以下が考えられます。

  • 業務内容
  • 収入
  • 働き方や就業環境
  • ワークライフバランス
  • 福利厚生
  • 昇給・昇進
  • 経営方針や社風

とはいえ、これらは個人の価値観や希望によって異なるものです。

自分のキャリアやライフスタイルで重要な要素を考え、自身にとって最適な転職の軸を探してみてください。

面接で転職の軸を聞かれたときの回答例文7つ

面接の際、転職の軸を聞かれて回答に困った経験のある人もいるでしょう。

ここでは、面接で転職の軸を聞かれたときの回答例文を7つ紹介します。

  • 業務内容
  • 収入
  • 働き方・就業環境
  • ワークライフバランス
  • 福利厚生
  • 昇給・昇進
  • 経営方針・社風

パターン別にて紹介しているため、自分の経験や価値観に合わせてカスタマイズしましょう。

業務内容

まずは、業務内容を転職の軸として考えている場合の回答例文と回答時のポイントについて詳しく説明します。

【回答例文】

業務内容に関して、私は自分の興味ややりがいを追求できる仕事に重点を置いています。現職の経験を活かしながら、新しい技術やプロジェクトに関わっていける環境を求めています。例えば、イノベーションを起こすための新規事業開発や、チームメンバーとの協力を通じて成果を生み出すプロジェクトに参加したいと考えています。また、自己成長を促すトレーニングや学習の機会が提供される環境があるかどうかも大切にしております。新しい挑戦に向けて柔軟性と意欲を持って取り組むことができるため、業務内容において成果に貢献し続けられると自負しています。

回答する際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 今後に活かせる過去の経験を示す:自分の経験やスキルを活かせる業務内容であることを強調しましょう。自分の専門性や成果を最大限に発揮できる環境を求めていることが、面接官に伝わるはずです。
  • 新たなチャレンジを望む姿勢を示す:成長への欲求や新しい仕事への興味を伝えましょう。自分のスキルをさらに磨きたいという意欲があり、積極的に新しい業務に関わりたいという気持ちを面接官に伝えてみてください。
  • 学び続ける姿勢を示す:常に学びを求める意識を持っていることを強くアピールします。自分の成長を重視し、転職先での学びの機会や研修制度に期待を寄せていることをアピールできれば、好印象へとつながります

自分の意欲や貢献意欲、成果への期待を示すことが有効です。

収入

次に、収入面を転職の軸として考えている場合の回答例文と回答時のポイントについて詳しく説明します。

【回答例文】

収入に関してですが、自分のスキルや経験に見合った報酬を得たいと考えております。また、業務において成果を出し、貢献度に応じた評価や報酬のシステムがある点も重視しています。ただし、収入だけではなく、将来のキャリアや成長の機会も大切にしております。○○様は、その両軸を実現できる環境だと考えております。自己成長と共に組織の成果を上げることにやりがいを感じているため、給与面でも成果を正当に評価していただける御社で働きたいと考えている次第です。

回答する際には、以下のポイントを意識してみましょう。

  • スキルや経験に見合った報酬を望むことを示す: 自分のスキルや経験に見合った報酬を得たいことをアピールしましょう。うまく伝えることができれば、希望の給与額を通してもらえる可能性が高まります。
  • 成果に応じた評価や報酬のシステムを求めることを示す: 業績や成果に応じた評価や報酬のシステムがあることを重視している点を伝えましょう。応募先が、自分の貢献度が正当に評価される環境かどうかを見極められます。
  • 将来のキャリアや成長の機会も重視することを示す: 収入だけでなく、将来のキャリアや成長の機会も重視している点もアピールしましょう。また、給与面だけでなく、自分のスキルやキャリアの成長につながる環境を求めていることをアピールすれば、面接官側にも好印象を与えられるでしょう。

給与に重きを置いているのであれば、自分の価値を認めてもらえる環境や、成果に応じた評価や報酬のシステムを採用している会社かどうかを面接時に見極めることも重要です。

働き方・就業環境

次に、働き方や就業環境を転職の軸として考えている場合の回答例文と回答時のポイントについて詳しく説明します。

【回答例文】

働き方や就業環境に関して、私は自分の成果を最大限に発揮できる働きやすさを大切にしています。例えば、チームの雰囲気や風土が、円滑なコミュニケーションが取りやすく、意見を発信しやすい文化であることを重視しています。柔軟な働き方が実現でき、協力体制も整っている御社へ、ぜひ貢献したいと考えております。

回答する際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • 柔軟な就業環境において最大限のパフォーマンスを発揮できることを示す:自分の成果を最大限に発揮するためには、リモートワークやフレックスタイム制といった柔軟な働き方や働きやすい環境が必要なことをアピールしましょう。その際、納得感のある正当な理由を示すことも忘れないでください。
  • チームの協力体制やコミュニケーションの取りやすさの重要性を示す: チームの雰囲気や風土、円滑なコミュニケーションを大切にしながら仕事に取り組める点をアピールしましょう。

収入面と同様、協力し合える環境や意見を発信しやすい文化が応募先にあるのか、面接時の対応によって判断材料にもなります。

ワークライフバランス

次に、ワークライフバランスを転職の軸として考えている場合の回答例文と回答時のポイントについて詳しく説明します。

【回答例文】

ワークライフバランスに関して、私は仕事とプライベートの両方を充実させたいと考えております。私にとって、充実したプライベートの時間を過ごすことが仕事へのモチベーションを高める原動力です。そのため、長期的なキャリアを見据えて、御社のようにワークライフバランスを重視する職場で働きたいと考えています。

回答する際には、以下のポイントを意識しましょう。

プライベートの時間もしっかり確保したいことを示す:仕事はもちろんのこと、プライベートの時間を充実させることも大切にしている点を面接官に伝えましょう。残業時間や有給取得率などを意識している企業も増えているので、いくら意欲を見せたいからといって「プライベートを犠牲にしても良い」というような姿勢は避ける方がベターです。

転職面接では「やる気がない」と捉えられることを恐れて意欲的な意見しか述べない人もいますが、いざ働き始めてから「休日出勤が多すぎる…」などという事態を避けるためにも、ワークライフバランスを気にするのであればアピールした方が良いでしょう。アンマッチな転職先を選んでしまうことも避けられます。

福利厚生

次に、福利厚生を転職の軸として考えている場合の回答例文と回答時のポイントについて詳しく説明します。

【回答例文】

福利厚生に関して、私は仕事でのパフォーマンスを最大限に発揮するためにも、健康面への配慮やリフレッシュできる環境があるかどうかを重視しています。例えば、健康診断やストレスチェック、病児・病老児保育など、従業員の健康管理や仕事と家庭の両立をサポートする制度があれば、長期的なキャリアを形成しやすいです。また、教育研修やキャリア開発の機会も福利厚生の一環としてあると嬉しいです。

回答する際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • 従業員の健康面への配慮を希望していることを示す:生理休暇のように、定期的に体調不良で休暇が必要となることが見込まれているケースなど、休みやすい環境が整っているかどうかを確認できます。
  • 研修制度の重要性を示す: 教育研修やキャリア開発の機会も福利厚生の一環として重視している点を回答しましょう。自分が成長できる場を提供してくれる職場かどうかがわかります。

福利厚生は、企業ごとに独自性のある部分にもなるので、複数社を検討している際には選択基準の一つにすると良いでしょう。

昇給・昇進

次に、昇給・昇進を転職の軸として考えている場合の回答例文と回答時のポイントについて詳しく説明します。

【回答例文】

私は、成果や貢献度に基づく公正な評価をしていただける点を重視しています。会社全体の明確な目標設定や定期的なフィードバックを共有いただける環境で、スキルや自己評価を徹底し、成果に応じて昇給や昇進の機会を得るために努力し続けます。

回答する際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • 公正な評価を求めることを示す:成果や貢献度に基づく公正な評価とキャリアの成長を重視している点を伝えましょう。将来的にどのようなキャリアパスがあるのか、教わることができるかもしれません。
  • 目標設定とフィードバックの重要性を示す:明確な目標設定や定期的なフィードバックがある環境が自分の成長や昇給・昇進に活きることをアピールしましょう。ひいては、業務への意欲や企業への貢献度がある、と好意的に受け入れられる可能性もあります。

企業によっては年功序列の風土が残っているなど、なかなか思うように昇進できない環境も考えられます。質問を重ねることで、自分がマネージメント経験を積めるのかなど、実際に働き始めた後のポジションをイメージしやすくなるでしょう。

経営方針・社風

最後に、経営方針や社風を転職の軸として考えている場合の回答例文と回答時のポイントについて詳しく説明します。

【回答例文】

私は、企業としてのビジョンや経営陣の価値観に共感できる企業で働きたいと考えます。御社のオープンなコミュニケーションや風通しの良さは大変魅力的です。みんなで協力し合い、アイデアや意見を自由に交換できる環境で働くことで、組織の成果は最大化できると考えております。経営方針や社風が自身の理念や価値観と一致し、組織のビジョンに向かって共に成長できる御社で働くことを希望しています。

回答する際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • 企業のビジョンや経営陣の価値観への共感を示す: 企業のビジョンや経営陣の価値観に共感している点を示しましょう。「ここで働きたい」という強い意志を見てもらえる可能性があります。
  • 経営方針が明確であることの重要性を示す: 経営方針が明確であり、かつそれに賛同していることをアピールしましょう。自分の行動指針や意思決定が組織の方向性と一致している点が伝われば、入社後も企業の求めることに適切に応じてくれる人材であるとわかってもらえます。

業務内容だけに焦点を当てて転職活動をしていると、「この業務ができる企業ならどこでも良いのか」と採用担当者に思われかねません。企業の方針そのものに魅力を感じていることは、応募先にとっても好印象になるでしょう。

転職条件の優先順位の考え方

転職条件の優先順位を考えるにあたっては、どのような考え方が必要なのでしょうか。

主に、以下の3ステップを意識すると良いです。

  1. キャリアの棚卸しをする
  2. 転職先に求める条件、かつ現職にない条件を可視化する
  3. 転職先に求める条件を「MUST/WANT」で分ける

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.キャリアの棚卸しをする

まずは、キャリアの棚卸しをしましょう。キャリアの棚卸しとは、自分のキャリアや職務経験を客観的に評価し、今後の方向性を見つける作業です。具体的には、自分の強みやスキル、興味・関心領域、成果や実績を振り返りながら、現在のキャリア状況を分析します。

また、将来のキャリア目標や希望を明確にし、自分の成長やキャリアプランについて再評価するのも大切です。キャリアの棚卸しを行えば、転職の意思決定やキャリアの進化につなげられます。自分の強みや成果を再確認し、新たな挑戦に向けて準備するために、キャリアの棚卸しを積極的に行っていきましょう。

2.転職先に求める条件、かつ現職にない条件を可視化する

続いて、転職先に求める条件と現職のギャップを可視化するために、以下の手順を実践してみてください。

まず、転職先に求める条件を明確化します。自分のキャリア目標や理想の職場環境、やりたい業務内容などを考え、具体的な条件を洗い出します。これにより、自分が求める要素を整理できます。

次に、現職とのギャップを分析します。現職の業務内容や組織文化、福利厚生などを客観的に評価し、自分が求める条件との違いを特定します。

具体的には、以下を考慮してみましょう。

  • スキル・経験の不足
  • キャリア成長の制約
  • 働き方や環境の違い

最後に、可視化する方法を検討します。例えば、求める条件と現職のギャップを比較するための表やチェックリストを作成してみましょう。それぞれの条件を項目として列挙し、自分の評価や満足度を点数化して比較します。また、具体的な事例やエピソードをあげて、ギャップの具体的な理由を説明するのも有効です。

面接で質問された際には、具体的な例やデータを交えながら、自分の評価やギャップの理由を説明しましょう。これにより、転職先の選択や自分の意思を明確にできます。

3.転職先に求める条件を「MUST/WANT」で分ける

最後に、転職先に求める条件を「MUST(絶対に譲れない条件)」と「WANT(譲歩できる条件)」に分けます。

上記で紹介した7つの項目を例に、転職を決断する上で譲れない「MUST」条件を挙げてみましょう。

MUSTWANT
・業務内容・収入・昇給・昇進・働き方や就業環境・福利厚生・ワークライフバランス・経営方針や社風

そして、「MUST」条件を相対比較して優先順位をつけます。自分のキャリア目標や現状の優先順位に基づいて、各条件の重要度を考えます。これにより、自分の優先順位や意思決定に基づいて転職先を選べるのです。

面接で質問された際には、具体的な条件を挙げながら、なぜその条件が自分にとって重要なのかを説明しましょう。また、優先順位をつける際の基準や理由についても明確に伝えると有効です。

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